■たたら記は職人達の話を連載で紹介していきます。
今回からはDVD「鋳物人鑑」に出演して下さった職人さんのお話を掲載していきます。
職人さんに思いを語って頂くために取材を行いましたが、なかなかお話していただけません。
そこでいくつかの質問をさせて頂くインタビュー形式でお話をしていただきました。
※文中の(鋳)が職人さん(イ)がインタビュアーです。
今回は元料理人という経歴をお持ちの職人さん、なぜ料理の世界から鋳物へ?
イ)入社されて長いんですか
鋳)「15年くらいですか、料理の学校を出てそっちを10年ぐらいやって。」
イ)何料理だったんですか
鋳)「西洋料理ですね、フランス料理。」
イ)こういうと何ですが、どうしてこの(鋳物)お仕事に?
鋳)「そっちじゃぁ一人立できないということでね、
環境もありましたけど世の中の流れで店を持つことが難しくなったと。」
「要はそういった仕事というのは皆さんが休んでおられるときに一生懸命やらなきゃいけない。」
「それでちょうど家族を持った時期でもありまして、
子供たちと会う機会もないといういろいろなことが重なりまして。」
イ)中でもこのお仕事だったのは?
「やっぱり昔からモノを作ることに興味を持ってまして、やってみようかなということで。」
イ)それまではお客さんの反応が解りやすくて、こちらはそれが見えにくいかと思いますが
鋳)「そうは言っても直接お客さんに品物が届く訳ですから、
やっぱり街中で自分の手がけたマンホールが据わっていると感動しますよ。」
「環境は全然違うんですが・・・
お客さんから直接声はないですが、全体をみればモノを作る喜びというのはありますね。」
イ)お客さんの反応が見えなくてもですか
鋳)「料理とは違いますが、結局悪ければ返品もありますし、次工程がお客様ですから同じですよ。」
イ)料理人さんは家庭であまり作られないという話も聞きますが飯田さんは?
「そうですね・・・あまり作らないですね、たまには作りますけどね。」
「まぁ、アドバイスはしますよ。」
「ソース類は作ったことはあります、最近はないですけど。」
「子供が小さい頃は誕生日に普通の奥さんじゃぁ作れんようなものをつくってましたけど、
やっぱり喜ばれるんで。」
イ)プロの人が違うなと思うのは、段取りがしっかりしていたり仕事が丁寧というのはありますね
鋳)「仕込みに時間をかけたり」
「レストランなんかで言うと勝負時というのは昼と夕方と決まっている訳ですから、
それに合わせて段取りや仕込みをするんですね。」
「戦争みたいなもんですから、いっぺんに来ますからね、
だからと言っていい加減なものは出せませんし。」
イ)予想以上にお客さんが来たりすると、ちょっとやそっとでは対応しきれないんでしょうか
鋳)「うーん、でも料理の基本って言うのが解っていればどうにでも対応は出来ますよね。」
「お客さんが求められる味っていうのは基本がありますからね。」
イ)そこが素人と違うところでしょうね
鋳)今のお仕事は講師ということですが、面白さを伝えるご苦労もあるでしょうね
「いろいろとモノを作っているとですね、
不良があることもありますが原因を追及していくのも面白いですね。」
「鋳物はそういう原因がはっきりと分かりにくい世界なんですね。」
イ)よく分からないというのも魅力なんでしょうか
鋳)「そうですね、それと原因がつかめて良い製品が出来たときが喜びに繋がりますよね。」
イ)また料理の世界に戻りたいと思われたことはないですか
鋳)「いやぁ、一時ブームが来たじゃないですか料理人のね、あのへんを見たときに・・・」
イ)血が騒ぎました?
鋳)「というより、ずっと続けとったらどうじゃったかな?というね。」
「今はもう、別に戻ろうとは思いませんけど。」
イ)それなりにモノ作りはどこの世界も面白いっていうことでしょうか
鋳)「だから、料理の経験が無駄だったとは思わないし、何らかの形で活きていることは感じます。」
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